なおとの日常

果てない好奇心の追求と男の浪漫を胸に!不定期で能書き満天のなおとの「日常」をお送りしております。過去にヒッチハイクで日本一周した昔話しもありますよ〜。

はじめての野宿と幸せの意味。

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3日目。今日は朝早くに目覚めた。
昨日の夜が楽し過ぎたんだな。
荷物をまとめて宿のおかあさんに挨拶をして出発だ。今日も天気が良い。
ただ気になるのは足。潮風が涼しすぎる。道道34号(どうどう)から国道336号までは歩くことにした。
これが後におれを苦しめるんだな。
約12㎞。肉刺だ。歩く度に激痛。ヒッチハイクすればいいのにね。そう決めたら歩く。歩きたいんだよ。苦しみたい。Mだから…。
道中すれ違うライダーや自転車の人に手を振る遊びが楽しかった。ちゃんと振りかえしてくれたしね。引きつった笑顔してた自分。
気を紛らわしたくて。歩いてから約3時間ゆっくりと目の前で車が止まった。
『おい乗れっ‼︎』FITから出てきた坊主頭でサングラスで黒くてイカつい強面のおじさん登場!

びびったけどありがたい。これを待っていた。
このパターンは2回目だ。R336に出る前に車に乗れたのはついてる。この人は北海道の函館の人だ。昔から1人旅しているそうで仕事でフェリーの乗務員をしていてよく大洗には来ていたそうだ。とにかく男気溢れてる。
えりもで拾われ内陸の帯広市まで乗せてくれた。約100㎞。今までの海沿いの町と違って暑い。潮風がないからかな。それと久しぶりの市街地に来たから車も多いし店もある!ずっと靴を買いたいと思ってたからここならあるはずだ。車から降りて激痛。歩き方がおかしいのが自分でも分かる。正直歩けないと弱音吐きそうになった。吐いてた。
少し歩いて木陰に腰掛けた。足の状態を見て両足に1円玉ほどの肉刺だ。肉い。
ハサミで切った。液体出た。歩いたら痛い。
本気のクソッタレ‼︎が出てしまった。
普通に歩けないって致命的。9割死んだ。
動けないことには旅出来ない。
もう2度とスリッポンでは旅に出ない。
スリッポンで旅しようと考えてる奴がいたらスリッポンで頭ひっぱたいてやるわ。
ひっぱたいてよ。ちょっと絶望。
今まで普通に歩けることを幸せだと思ったことはあるか?歩けなくなって初めて分かるんだよな。思うわけない。当たり前だと思ってるんだから。これは全てのことに通じる。
声を出せること、目が見えること、耳が聞こえることを当たり前だと思って生きてる人間。
それでいい。個人の考え方だから。分からないから。絶対経験する必要もない。
ただ分かるとなんか良いこと出来るかもよ。
健康で生きていられることそれが財産だと思いました。命の価値は重いね。
それでもポジティブに生きるのが自分流。
ダウンしてたら声をかけてくれた男性。
靴屋の場所を聞いたら帯広市内の地図をくれた。これこれ。細かい!おれはずっと地図を見ながら歩いたりヒッチハイクの目的地を伝えていた。iPhoneの地図とかは一切使っていない。
使えてない。おれはアナログ派。
旅当日親父に渡されたマップル(2001年)が初日から大活躍なんだな。フェリーの中で熟読していた。地理に詳しくなりました。
靴屋のポイント聞いて腐った足ひきづってデパートに。助かった。入念にチェックしてトレッキングブーツ購入。底が厚い。スリッポンが憎い。履き替えて今日の宿探しへ。もう夕方だ。もう歩きたくない。野宿を決意した。
近くに寺があるから顔を出してみた。
『一晩だけなのでお寺に泊まらせて貰えないでしょうか?』申し訳ない顔と足の痛みを訴えた顔して懇願。
『うちは防犯上やってないんだよね〜』
予想を裏切られた。
おいおいそれが日本の仏教の教えなんですか?
過酷な修行に耐えた人間なんですか?
自分は困った人の手助けも出来ない人間にはならんぞ。そうは言っても今の時代こうなることは承知。見ず知らずの人を勝手に泊まらせるのもね。ただ寂しい。自分も甘え過ぎ。
彷徨うと車から声が。俺の顔を見て心配してくれているのか一緒に宿を探してくれた。
60のおとうさん。この人こそ仏様よ。
大きい公園に案内してくれた。トイレもあるし。キレイ。わずか10分くらいだけど別れ際に色々話して20分。ありがとう伝えて公園で野宿の場所を探す。屋根は欲しい。見つけたのは児童館の入り口。人目を忍び日が落ちてから親友から借りた寝袋登場。やっとだな。
重くていいとこ無かったけどここで役に立つ。
怖いよ。寝れないかもね。ここでも家があるって幸せなことなんだと痛いほど分かる。
心も足も痛い。ボロクソだ。ぽんこつめ。
楽しい感情がない。風呂にも入れない。
だけど生きてることが素晴らしいんだよ。
I'm alive.Life is Only one.

ヒッチハイクも他力本願。頼ってしかいない。
野宿のひとつ。これくらいやらなきゃ生きてるとは言えないね。これぞ旅の醍醐味‼︎ 最高‼︎

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